コラム

稼働分析

 生産活動に於いて、「人が働いている状態、物が動いている状態」を“稼働”という。私たちが物を大量に、より安く生産するためには、人や物が常にムダなく動いていることが大切である。
 そこで稼働状態がどの程度確保されているかを分析する手法を「稼働分析」といい、主に次の1,2、3の3つの手法がある。

1.連続観察法
 観察者が人や設備につきっきりで1日あるいは数日間、連続的に観測する方法。
 観測のための人、時間、手間がかかるので、特別の場合を除いてあまり用いられない。しかも1日か2~3日の観測によって、1ヵ月の稼働の状況を把握するので、日によって稼働率が大きく変動する場合には誤った判断をすることがある。いつもは稼働率が低いのに、たまたま観測した日の稼働率が高かった場合には「稼働率が高い」という結論を出してしまうというリスクがある。

2.瞬間観察法(ワークサンプリング法)
 つきっきりで連続観察をせずに、比較的長時間にわたって行う。たとえば、1日に何回か瞬間的に観測して「人や設備が稼働しているか、非稼働か」をチェックする方法。
 この方法は一般に広く用いられているが、少ない手間、時間で、精度・信頼性の比較的高い結果が得られる点が特徴。
 代表的なものには、ワークサンプリング法があり、観測の時期・回数の決め方はQC手法に基づいて必要な精度と信頼度を計算と表で求められる。

3.稼働計による方法
 この方法は、基本的には連続観察法の考え方に基づいている。人が終日つきっきりで用紙に記録するのは手間がかかるし、ミスも多くなりがちなので、稼働計を用いて手間を掛けずに記録するやり方が考えられた。
 稼働計を用いることにより、少ない手間で稼働の状態を長時間にわたって正確に把握、分析ができる。

4.その他の方法
 ①現場にビデオカメラを据え付け、作業をビデオカメラにうつし出し、離れた場所で連続または瞬間的に
  観察する方法
 ②各時間帯または日ごとの出来高から逆算して稼働率を求める方法
 ③設備の稼働がその設備の消費電力に比例する場合、時間ごとまたは日ごとの消費電力量から稼働
  率を求める方法。

 


■村田 哲也a

(産業人OBネット 中小企業診断士 アドバイザー)

京都大学卒業後、株式会社神戸製鋼所に入社。
設備管理の業務に携わり、役員に就任。
退職後は、製造業中心に生産管理・品質管理等のコンサルティングを行うとともに、職業能力開発大学校にて若手技術者の育成に取り組んでいる。

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